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2013年8月31日 (土)

丸善の早矢仕ライス

活字離れと言われる一方で、やたらとでかい書店をよく見かけるが、あれはどうも性に合わない。たまたま立ち寄った書店で思いもよらぬ本と出会い、買ってしまうことがあるが、小さな書店の方がその確率は高いような気がする。

大型書店でも人の許容範囲を越えていない、日本橋の丸善あたりが、安心して見て回れる。

そんなわけで、ちょくちょく日本橋の丸善で本を物色するのだが、その度に店内に掲示された“早矢仕ライス”のポスターが気になるのである。

それによると、早矢仕ライスを生み出したのは、丸善の創業者・早矢仕有的(はやしゆうてき)とあり、そのハヤシライスが3Fの「MARUZEN cafe」で食べられるというではないか。

そういえば、もう長いことハヤシライスを食べていないぞ。よし、今日こそは元祖ハヤシライスとやらを食べてやろうじゃねーの。

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日本橋高島屋の前にある丸善に到着。混むといけないから、11時すぎの早めしだ。

今日は本には目もくれず、エスカレーターで3Fへまっしぐら。

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この時間帯、さすがに店内は空いていて、どこでも好きなところへ座れた。

メニューを受け取ったオレは、迷わず定番の「ポーク早矢仕ライス」(1000円)とドリンクセット(+350円)のコーヒーを注文した。ドリンクセットはコーヒー、紅茶、オレンジジュース、グレープフルーツジュースの中から選べる。

すぐにサラダが、次いで早矢仕ライスが名前のごとく矢のように早く運ばれてきた。

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同時に早矢仕ライスの由来が書かれたハガキサイズのチラシとしおりを渡された。

そこには、「丸善は福沢諭吉の門下生であった早矢仕有的により、明治2年(1869年)に商社として誕生しました。」とある。そして、「丸善の百年史には、『幕末か明治の初年のことであろう。友人が訪問すると、有的は有り合わせの肉類や野菜類をゴッタ煮にして、飯を添えて饗応するのが常であった。そこから人々はこの料理を≪早矢仕ライス≫といい、ついにレストランのメニューにまで書かれるようになった。』という一節があります。」と紹介している。

ハヤシライスの発祥の語源については、他にも横浜で開業した洋食店「上野精養軒」の料理長林氏が考案したという説もあり、どうやら真偽のほどはよくわからないようである。

だが、今日のところは、これぞ元祖ハヤシライスと思って味わった方がいいに決まってる。

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長いスプーンでデミグラスソースをすくって、一口。あま~い。その甘さの後にほんのりと酸っぱさが追いかけてきて、ああこれがハヤシライスだと実感する。具の方は濃いソースの中に溶け込んでいるのか、マッシュルームくらいしか見当たらない。

しかし何か物足りない。アシュフォードのお皿にのっかり、西洋風然とした佇まいのせいか、そこには小学校の頃さんざん食べたハヤシライスの郷愁は込み上げて来なかった。

ハヤシライスはいつから洋食屋の一品としてお高くとまるようになったんだろう。ガキの頃、ときどき食卓に上がってきたのは、カレーばかりじゃあきるから、その代役のハヤシライスだったような記憶がある。

当時のオレにとって、カレーライスがピンク・レディーだとすれば、ハヤシライスはキャッツ・アイみたいなもんだった。こんなわかりづらいたとえ、誰がわかると言うのだろう。

キャッツ・アイは、ピンク・レディーの二番煎じなんだが、ピンク・レディーが「ペッパー警部」で一気に国民的アイドルに登りつめたことで、以後お色気路線を放棄せざるを得なくなり、そのピンク・レディーが手を出せないお色気要素に特化して売り出されたアイドル・デュオなのである。まさに弱者のランチェスター戦略だ。

しかし、そんなランチャスター戦略を持ってしても、世間には通用せず、デビュー当時にパンチラのインパクトはあったものの、その後いつの間にか姿を消してしまったのだ。だから、ピンク・レディーといえば、誰だってミーとケイくらいはわかるが、キャッツ・アイといえば、ノンとナナと答えられる人はほとんどいないのである。

オレは、ここで、キャッツ・アイのデビューシングルの「アバンチュール」を歌いたかったが、サビの部分さえ思い出せず、歌えなかった。

キャッツ・アイが大衆に支持されなかったように、ハヤシライスも結局は家庭に根づかず、洋食屋の片隅にとどまるしかなかったのだろう。

蛇足だが、キャッツ・アイの正式名称は、キャッツ★アイで、名前に星印を使って許されるのは、つのだ☆ひろとキャッツ★アイくらいだろう。

なんだかよくわからない話になってしまったが、このハヤシライス、美味しかったけど、陽の当たらないメニューだからこそのパンチに欠けていた気がする。

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食後のコーヒーを飲みながら、もう一度メニューを見る。

このマルゼンカフェは、ポーク早矢仕ライス、ビーフプレミアム早矢仕ライス、早矢仕オムライスの他に、ワッフル、あんみつ、ケーキなどのスイーツも豊富だ。

むむ、書籍とのコラボレーションデザートなるものがある。その名も「檸檬」。言わずと知れた梶井基次郎の「檸檬」とのコラボだ。中身をくりぬいたレモンの皮に、レモンムースが詰まっているようだ。

メニューにはあまりにも有名な小説「檸檬」の一節が添えられている。

「丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛て来た奇怪な悪寒が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう。」

作中の丸善は、ここじゃなく京都にある丸善のようだが、この文学的なスイーツはいいかも。スイーツ好きの女の子をつれて行ったら喜ばれることうけあいだが、くれぐれも梶井基次郎ってだれ?って言うような女の子を誘わないように注意が必要だ。

さすがに12時を越えると、奥行きのある店内もほぼ埋まり、場所柄、白髪の知的な年配層が目立つ。書店の中のカフェで、料金的にもやや高めなので、客層が選別されていて、ここにいればこんなオレでも少しは知的に見えるかもしれんな。

しかし頭の中では、週刊現代のまだ開けていない中島知子の袋とじが気になってしかたがない痴的なルチャであった。

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