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2013年5月

2013年5月 5日 (日)

感涙のシナボン再上陸

ブーメラン、ブーメラン、ブーメラン、ブーメラン、きっとーあなたは戻って来るだろう・・・・昔、西城秀樹が歌ったブーメランストリートのように、一度別れた女が再び自分のもとに舞い戻ってくることを願った経験が、男なら一度くらいあるはずだ。しかし、人生はそんなに甘くなく、そんな都合のいいことは起きないばかりか、風の便りであの子が結婚したことを知らされ、同じ相手で二度傷つくのがオチである。

ところがどっこい、今から14年前、吉祥寺で衝撃的に出会い、甘~い年月を過ごしたものの、4年前にオレの前から忽然と姿を消したあの子が、な、なんと、ブーメランのように戻ってきたのである。

だからオレは、ブーメラン、ブーメラン、ブーメラン、ブーメランと人目を憚ることなくブーメランストリートを口ずさみながら、胸躍らせて六本木に再上陸した「シナボン」に向かったのだった。

日比谷線六本木駅1b出口から外に出るやいなや、目の前にシナボンの青い看板が見え、数年ぶりの再会にオレの胸は高鳴った。

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このシナモンロール専門店「CINNABON(シナボン)」は1985年12月、米ワシントン州シアトルに1号店を構え、現在は世界51ヶ国に約900店舗を展開する人気のチェーン店だ。

日本では、1999年に吉祥寺に1号店がオープンし、当初から大行列の日々であったが、次第に客足が遠のき、2009年に撤退を余儀なくされた。

そして昨年11月、ここ東京・六本木にシアトルベストコーヒーとのコラボ店舗として再上陸を果たしたのだった。

お店の中に足を踏み入れた瞬間、ショーケースの中の彼女の姿が目に飛び込んできて、心を鷲づかみにされ、ストップモーションのようになった。思わず桑江知子の「私のハートはストップモーション」を口ずさみそうになるのをぐっとこらえた。5年ぶりに見る彼女は昔のまんまで少しも劣化していなかった。

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再上陸に際して日本人向けに合わせたという、レギュラーサイズの3分の2の大きさの「ミニボン」(280円)が推しのようだが、オレはそんなものには目もくれず、元カノ=シナボンクラシックロール(380円)と、シアトル仕込みのコーヒー(280円)を注文することにした。

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オープン時には路上に溢れていたであろう行列も今はなく、並ばずに注文でき、ほどなく注文の品をトレイで受け取ると、オレは久しぶりの対面に緊張しながら2階への階段を上っていった。

客席は1階に22席、2階に51席あって、特に2階は木目調の落ち着いた内装でゆったりとしたスペースだ。

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平日の昼下がり、若い女性客や外人のお客さんがちらほらいたが、店内はそれほど混み合っていなかった。

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秘伝のマラカシナモンが香り立つシナボンクラシックロール。ナイフとフォークで小さく切ろうとするがなかなかうまく切れず、それが安手のプラスチックナイフのせいなのか、緊張のせいなのか、オレにはよくわからなかった。

ようやく切って、一口口の中に入れると、彼女は火照っているのか、温かかった。こ、これだ、この甘さ。待ちに待ったこの味、最高だ。そして、深部に迫るほど、しっとりと濡れ、もちもちの生地に濃厚なクリームが絡み合い、血糖値K点越えの甘さだー。もしもオレが真島茂樹だったら、今この場で喜びのターンを10回転くらい決めていただろう。でもマジーじゃないオレは、その喜びをかみしめ、静かにめくるめく感動に浸った。

しかしオレは彼女との再会を喜んでばかりはいられなかった。4年前に撤退の憂き目に合った彼女の行く末が心配だったからだ。

同じ轍を踏まないためには、なぜ撤退を余儀なくされたのか、その検証がしっかりとできているかどうかにかかっている。

健康志向の波に飲まれたとか、日本人には大きすぎたなどと言われるが、オレの仮説はこうだ。

美味しいものを食べた後、あー美味しかった、また食べたいねという余韻が残る。ディズニーランドであれば、あー楽しかった、また来たいね、という余韻だ。その余韻が次のリピートを生む。ところが、このシナボン、甘すぎるがゆえ、しばらくもう甘いものはいいや、という余韻が残る。(もちろんそうじゃない人もいる。)その余韻こそがリピートを妨げているのではないか。その強烈な甘さで人々を魅了しながら、その強烈な甘さで人々に敬遠されてしまうのである。まるでパンチ力が強すぎたため、自らの拳を骨折してしまった浜田剛史のようだ。しかしながら、大衆が抱くであろうこのネガティブな余韻を払拭することは困難で、シナボンくらいぺろりと食べてしまう甘党を狙うしかない。

もしオレがブランドマネージャーだったら、ターゲットは「甘いものに目がない人」と規定し、その人たちを刺激し続ける戦略をとるだろう。裾野の人たちはどうせ離れていく人たちだからだ。

だが、シナボンは甘さとは無縁のサンドイッチやサラダまでメニューに加えて、どうやら裾野の拡大を狙っているようである。そうして2017年までに50店舗の出店を目指すというから心配だ。

お一人様一回あたりの購入は3個までなんてブームを前提としたような購入制限もいかがなものか。ブームの再燃を企てるよりも、ブームは去ったという認識に立った戦略の方が重要だ。

シナボンを完食し、満足感に浸りながら、シアトルのコーヒーをすすった。

彼女は昔と全く変わらなかった。ただ違っていたのは昔のようにみんなにチヤホヤされなくなっていたことだ。そんな彼女がずっとずっと日本にいてくれることを切に願うルチャであった。

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